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EVフルメンテナンスは危険かもしれない

神奈川県相模原市 2007年5月 文責: (有)A tempo

六本木ヒルズのエレベーター火災を聞いて、以前より危惧している事があります。

エレベーターの所有者・管理者は、点検会社の性善説を期待して、フルメンテナンス契約(FM契約:ワイヤーロープを含む劣化部品の適時交換は契約内)を結びます。

点検業者も、フルメンテナンス契約の方がより利益が上がりますので、FM契約へ誘導する傾向があります。

東京ミッドタウン EV
東京ミッドタウンのエレベーター  記事とは関係ありません


マンション管理組合では、発生する修理費について、理事会等の議決の手間が省けるFM契約を重宝と感じる傾向が在ります。

企業のビルでは、全額経費処理できるFM契約のほうが節税となるようです。

しかし、点検会社は一旦FM契約しますと、利益をより上げる為、多少の部品劣化に目を瞑り、危険性に鈍感になる営利企業行動をする可能性は無いでしょうか。

この観点からすれば、何れの立場の者も点検会社との契約は、より不具合の発覚し易い、POG契約(消耗部品交換付契約)の方が無難であると考えます。

フルメンテナンスという言葉に響きに惹かれるのでしょうか。世の中殆どのエレベーターはFM契約で維持管理されていますが、より高い維持費がより安全なエレベーターに繋がるとは限りませんので、ご注意下さい。
かと言って、POG契約に急に更改すると、ぞろぞろ改修の見積りが出て来るかも知れませんので、慎重に考えてください。

P.O.G契約
とは   劣化した部品の取替え、修理費用は、月々の定額契約料金外です。

  <契約範囲内>(保守会社により若干の違いがあります。契約書で確認して下さい。)
   P(parts)=ヒューズ、可動・固定コンタクト、照明、 などパーツ類
   O(oil)=点検用油脂類、補給オイル、 などオイル
   G(grease)=ベアリング及びメタル用グリス、 など
   おおむね、3ケ月~6ケ月毎に取り替えの必要な部品が対象。

  <契約範囲外>(保守会社により若干の違いがあります。契約書で確認して下さい。)
   ・主ワイヤーロープ ・ガバナーロープ ・移動ケーブル ・ベアリング
   ・制御リレー ・プリント基盤 ・押ボタン
   ・かご内装 ・かご床タイル ・乗場戸三方枠塗装
   ・敷居(シル) ・運転盤カバー など


点検者の善意に頼らず、安全で、使用者の手続き上の負担の少ない契約方法が開発されるとよいですね。


関連記事:エレベーター点検費用の削減提案        エレベーターメンテナンスに落とし穴

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         2007/04/27  アサヒコム
        破断ワイヤに大量の赤さび 日本オーチス点検に問題か
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