食器洗浄乾燥機が排水管を脅かす
神奈川県相模原市 2007年10月 文責: (有)A tempo
マンションの雑排水管の多くは、硬質塩ビ管で施工されています。
耐熱性能は、45℃~60℃(一時的)です。
一方、食器洗浄乾燥機(ビルトインタイプ)を設置する場合、その排水は高温(80℃程度)となるため、メーカーの施工基準では、住戸内排水横引き管までを、耐熱性硬質塩ビ管(HT管・HTDV継手)で施工するよう説明されています。
通常の排水温度は60℃程度。
これは、特に除菌ミスト運転の時の高温排水(80℃程度)による、排水管の変形及び継手部からの水漏れを防ぐためと考えられます。
問題は、既存の排水横引き管及び立て管が、耐熱性能を有していないことにあります。
最近の食器洗浄乾燥機の普及に、既存マンションの排水管材は追従できていません。
新築のマンションは、当然耐熱性能を有する管材で施工する必要があります。
排水立て管の最上部(通気金物)での結露水が水漏れしたため、伸長通気を排水用塩ビ管で取替え補修しました。
通気管といえども水が流れます。排水用の継手を採用しました。
伸長通気管(石綿被覆)の取替えが完了しました。
コンクリートへ埋め込まれる金物は通気管とは別に2サイズUPの物とし、その中へ下からの通気管を差し込む様にすべきです(コーキング)。金物へ通気管を直接接続するのは避けねばなりません。今回は金物のサイズが小さく、スラブからの出が少なかったので、止むを得ず内側から差込み、内側からシールしました。
既存の排水横引き管等で水漏れを起こさないようにするには、高温排水モードで食器洗浄乾燥機を運転しないよう、規約・使用細則を定めることを、アドバイスする必要がありそうです。
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