HOME > アテンポリフォーム日誌 > 建物維持管理 > エレベーター2012年問題への対応

エレベーター2012年問題への対応

大手のエレベーター製造メーカーが、「製造中止からおおむね25年以上経過した機種について基幹部品を含む保守用部品の供給を停止する」と相次ぎ発表しました。対象となるエレベーターを設置しているマンションでは、今後故障した時に修理不可能となる可能性がある、と言うことです。

築後25以上のマンションでは、エレベータを安全に維持管理するためにはリニューアルせざるを得ませんが、多くのマンションでは長期修繕計画には組み入れてはいないため、予算上の問題が発生しています。500万円から1000万円程度の費用を要するために容易にはリニューアルできないでいる管理組合が多い事と思います。
 

エレベーター.jpgのサムネール画像管理見積.COM より


この問題のことをエレベーター2012年問題と呼ばれることもあるようです。

最も深刻なパターンは、
1.マンション販売時に決められたの無競争での高めの管理委託契約金額のままで、一括管理委託していて、
2.エレベーターの維持管理をその管理会社へ丸投げし、
3.管理会社がエレベーターの維持管理をメーカーの関連会社へ高めのフルメンテナンス契約のまま丸投げしている。
場合です。

維持管理費用も高止まりのままですが、今回のリニューアル費用も中間手数料搾取が重なり、恐ろしく高くなっていることが想定されます。フルメンテナンス契約と言っても今回のようなリニューアルは契約対象には含まれていません。
 
この事に対処するには、できれば前提として、
1.管理会社を入札方式で変更する。
2.エレベーターの維持管理を管理組合直接契約に変更する。
3.エレベーターの維持管理会社は、メーカーの関連会社から独立系の会社を含めた入札方式で変更する。
4.維持管理契約は、フルメンテナンス契約からPOG契約へ変更する方が、経済的で安全性が増す可能性が高い。

以上のような変更を、合意形成をしながら進める過程のそれぞれのステップで、リニューアル費用についても入札方式を採用すれば、最低コストにてリニューアルすることが可能となります。

このようなリニューアルについては市場相場が形成されていませんので、ただ管理会社等へ高いではないかと主張しても、交渉には応じてくれません。

他の施工会社に依頼すれば安くなることを提示しない限り無理でしょう。

需要と供給の関係で、タイムリミットが近づくと資機材が高騰し、管理会社等が現在提示する価格は、安いものであったことになる可能性もあります。

エレベーターのリニューアルを専門に請け負う独立系会社もあるようですので、比較検討の対象にしてもよいでしょう。

管理会社等以外に発注することについて、理事会及び総会の合意が得られないのであれば、管理会社等が提示している金額のままでの発注は止むを得ないでしょう。




関連記事:エレベーターメンテナンスに落とし穴
       エレベーター点検費用の削減提案
       EVフルメンテナンスは危険かもしれない

関連情報:エレベーターの「2012年問題」って?

       エレベーターのいわゆる“2012年問題”

カテゴリ:

タグ:

< スポットネットワーク受電方式かも  |  一覧へ戻る  |  桜に煙る赤坂Kタワー >

このページのトップへ

最近の画像

  • 消防点検報告書
  • 庭園灯
  • トップライト
  • 増改築等工事証明書
  • 段差解消
  • 長計