HOME > アテンポリフォーム日誌 > 建築に安全・安心を! > 震度5強で受けた建物損傷が免責されない判例
震度5強で受けた建物損傷が免責されない判例
3月11日の震度5強の地震で、東京都杉並区マンション6階の住民が設置していた電気温水器の配管が破損し、原告が所有する5階の部屋まで水漏れが及んだ。6階の住民は、保険会社に原状回復費用に相当する火災保険契約の保険金を支払う様請求したが、個人賠償責任補償特約では、戦争や噴火、地震などで生じた損害に対し、保険会社が保険金を支払わないとする免責条項が定められていたことを理由に、保険金支払いに応じなかった。
そこで、5階の住人が保険会社に対して保険金を支払うよう提訴した。東京地裁は、地震が原因の免責は、「大規模な損害が一度に生じる巨大地震を想定したもの」として、「震度5強程度の揺れは、社会的に通常想定されており、免責は認められない」と、保険会社に対して6階の住民に保険金を支払うよう判決しました。
東京新聞朝刊2011年10月22日
判決はまた、配管はもともと劣化しており、耐震性が足りなかったものとも指摘している。
asahi.com 2011年10月21日
この事は、経年劣化との関連性にも触れており、論点が広げさせているが、いずれにしても、保険会社としては、このままにはしておけないと思われます。
以前のブログ記事「地震の強さと瑕疵担保責任」で提唱している考え方に近いものですが、大胆な判決と思われます。建築基準法や品確法に比べて、判り良さにおいては東京地裁の方に軍配が上がるように思います。
品確法では、稀に(数十年に一度程度)発生する地震による力(建築基準法施工令第88条第2項に定めるもの)に対して損傷を生じない程度を耐震等級(構造躯体の損傷防止)1と定義している。
・・・きわめて判りにくい。
カテゴリ:
タグ:
カテゴリ
- サイトマップ ・ブログ分類リスト (1)
- マンション共用部設備のリフォーム (44)
- マンション共用部建築のリフォーム (43)
- マンション専有部建築のリフォーム (20)
- マンション専有部設備のリフォーム (12)
- 戸建住宅の建築リフォーム (26)
- 戸建住宅の設備リフォーム (23)
- ホテルのリフォーム (19)
- リフォーム全般 (11)
- マンション管理士 (40)
- マンション大規模修繕工事 (27)
- 建物維持管理 (30)
- 長期修繕計画 (9)
- 太陽光発電が好きです (23)
- 建築に安全・安心を! (31)
- 建築評論家気取り (35)
- 住宅瑕疵担保履行法 (13)
- 住宅エコポイント (9)
- 建築士制度改革 (5)
- Exhibition/Sightseeing (22)
- オーケストラとシンフォニーホール (7)
- これは日記:読む必要はありません (32)
最近のエントリー
最近のコメント
- backlink pagerank から 当ブログのサイトマップ・ブログ分類リスト に対するコメント: hey there
- Morrie から 建物調査劣化診断:タイル付着強度試験 に対するコメント: At last! S
- Dash から 特定住宅瑕疵の瑕疵担保責任 に対するコメント: This is th
- Yamary から 巨大な吹き抜けの下は地下鉄ホーム に対するコメント: Stlelar wo
- Kaylan から 東京ガス マンションリフォームラボ に対するコメント: Kick the t
- Jolyn から マンション屋上で耐震上気になる事 に対するコメント: This piece
- Alex から ユニットバスの更新・2日間 に対するコメント: I was so c
- Essie から 連結送水管設備送水口からの水漏れにご注意 に対するコメント: It's woder
- Beyonce から 広めのバルコニーをFRP防水 に対するコメント: I really a
- Lesa から 扉の建付け不良 フロアヒンジの錆膨れ に対するコメント: How neat!
月別 アーカイブ
- 2017年6月 (1)
- 2017年2月 (1)
- 2016年11月 (1)
- 2016年10月 (1)
- 2016年2月 (2)
- 2015年6月 (2)
- 2015年5月 (2)
- 2015年4月 (2)
- 2015年1月 (1)
- 2014年12月 (1)
- 2014年11月 (4)
- 2014年10月 (2)
- 2014年9月 (3)
- 2014年8月 (5)
- 2014年7月 (2)
- 2014年6月 (1)
- 2014年5月 (5)
- 2014年4月 (3)
- 2014年3月 (2)
- 2014年2月 (4)
- 2014年1月 (1)
- 2013年12月 (1)
- 2013年11月 (3)
- 2013年10月 (2)
- 2013年9月 (6)
- 2013年8月 (9)
- 2013年7月 (2)
- 2013年6月 (3)
- 2013年5月 (4)
- 2013年4月 (4)
- 2013年3月 (3)
- 2013年2月 (3)
- 2012年11月 (1)
- 2012年10月 (4)
- 2012年9月 (3)
- 2012年8月 (4)
- 2012年7月 (2)
- 2012年6月 (2)
- 2012年5月 (4)
- 2012年4月 (4)
- 2012年3月 (7)
- 2012年2月 (5)
- 2012年1月 (2)
- 2011年11月 (5)
- 2011年10月 (5)
- 2011年9月 (4)
- 2011年8月 (3)
- 2011年7月 (3)
- 2011年6月 (4)
- 2011年5月 (4)
- 2011年4月 (8)
- 2011年3月 (5)
- 2011年2月 (5)
- 2011年1月 (2)
- 2010年12月 (3)
- 2010年11月 (4)
- 2010年10月 (3)
- 2010年9月 (2)
- 2010年8月 (7)
- 2010年7月 (7)
- 2010年6月 (3)
- 2010年5月 (7)
- 2010年4月 (13)
- 2010年3月 (6)
- 2010年2月 (3)
- 2010年1月 (4)
- 2009年12月 (7)
- 2009年11月 (8)
- 2009年10月 (3)
- 2009年9月 (6)
- 2009年8月 (7)
- 2009年7月 (7)
- 2009年6月 (6)
- 2009年5月 (4)
- 2009年4月 (7)
- 2009年3月 (2)
- 2009年2月 (5)
- 2009年1月 (6)
- 2008年12月 (4)
- 2008年11月 (7)
- 2008年10月 (3)
- 2008年9月 (6)
- 2008年8月 (3)
- 2008年7月 (13)
- 2008年6月 (9)
- 2008年5月 (7)
- 2008年4月 (7)
- 2008年3月 (12)
- 2008年2月 (5)
- 2008年1月 (2)
- 2007年11月 (1)
- 2007年10月 (3)
- 2007年9月 (2)
- 2007年8月 (1)
- 2007年7月 (2)
- 2007年6月 (3)
- 2007年5月 (7)
- 2007年4月 (4)
- 2007年3月 (1)
- 2007年2月 (2)
- 2007年1月 (9)
- 2006年12月 (5)
- 2006年11月 (5)
- 2006年10月 (4)
- 2006年9月 (5)
- 2006年8月 (8)
- 2006年7月 (8)
- 2006年6月 (13)
- 2006年5月 (10)
- 2006年4月 (16)
- 2006年3月 (19)
- 2006年2月 (5)