見積もり?プランニング?どっちが先なの
リフォームの見積もりって高校受験の時に似ていると思うのは私だけでしょうか・・・・
と言う疑問にお応えします。
施主予算情報が入手できた場合、それをターゲットにして、プランするのは良くあることです。
信頼関係があれば、予算を施主が提示する場合もあります。でも、予算情報は談合の始まり(うそつきは泥棒の始まり)と言う面もあります。
ハイグレードなプラン(概算コスト)とエコノミーなプラン(概算コスト)2案を提示してコミュニケーションすれば、施主予算の方向性が把握できます。
中学の先生が、AとBの高校を提示して生徒の反応を見るのと一緒です。
実力からかけ離れた高校を受験することを、記念受験と言うそうです。
建築(世間)一般論からすれば、プランが先にあって、見積を取るのがやや普通の進め方と考えますが・・・・
設計者は、施主予算情報を意識して(無意識に常識的なコストが頭の片隅にある場合もある)設計を進めざるを得ません。節々で予算を睨んで仕様(A/B/C・・・)を決定しないと設計できませんから。
予算に合わない計画は、絵に描いた餅でしかありません。
但し、大手ゼネコン設計部門の最大の欠点は、予算に見合った設計しか出来ない所と言えます。
鶏と卵・・・とは、このあたりの事情をさしていると思います。
大手ゼネコンでの長い設計経験の中で、稀な事を経験しました。
ハイグレードな貸事務所の設計依頼がありまして、思いっきりハイコストをターゲットに設計しました。見積上がり後社内の見積・工事部署いわく、
まだ施主予算に到達していないのでもっと金の掛かる設計に変更してくれ・・・
というものでした。平面図を変えると手間が掛かるので、仕上げと機器仕様をUPさせて対応し、契約・竣工しました。
施主の高い評価とともに相当の
利益が上がりました。
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施主の大手生命保険会社は、数年後
倒産しました。
ゼネコンの設計部では特に、 予算どおりの設計
が出来なければ存在意義が疑われてしまいます。低い予算に合わせた設計こそ技術が問われるのですが、いつもいつもだとストレスが溜まります。
見積もり?プランニング?・・・P→D→C→A→P→・・・・
プラン・ドゥ・チェック・アクション・・・と言うことでしょうか。