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同一労働同一賃金の謎

こんにちわたいらです。

 

今回は昨年中頃からにわかにざわつき始めた

同一労働同一賃金の謎についてできるだけ小難しい話を抜きにして取り上げてみたいと思います。

派遣会社による派遣先均等・均衡方式と労使協定の選択というさらにややこしい話があるのですが

ここでは触れないでおきます。

 

とは言え多少はちゃんと調べておかないと赤っ恥をさらすことになると思い

厚労省のHPでしぶしぶガイドラインを読んでみました。以下原文。

 

このガイドラインは、正社員(無期雇用フルタイム労働者)と非正規雇用労働者(パートタイム労働者・有期雇用 労働者・派遣労働者)との間で、待遇差が存在する場合に、いかなる待遇差が不合理なものであり、いかなる待遇差 は不合理なものでないのか、原則となる考え方と具体例を示したもの。

また

基本的に、労使の合意なく正社員の待遇を引き下げることは望ましい対応とは言えない。

とも書いてある。

なるほど、正社員と非正規雇用労働者の待遇格差を是正するために非正規雇用労働者の

待遇を上げてほちぃなぁ・・というわけですね。

できるわけないじゃんそんなの笑

財源なしに賃金の総支給額を上げろと言われたらgoogleでもOK言わんやろ。

 

実際日本郵政やNTTは正社員の手当の減額も含めた方針を打ち出しています。

どちらもインフラ関連企業なわけでどれだけ内部留保を確保したところで

目まぐるしい世の中の変化に対する不安があることは理解はできます。

ただし今回の法改正に起因する手当減ではないと言い張っているようです。

 

ここら辺について詳しく解説している記事やYOUTUBEがいくらでも転がってるので

よかったら一度見てみてください。

 

そもそもは専門性の低い製造業等まで派遣の形態を認めてしまったことで

非正規のまま低賃金で長期雇用されることが問題視されてきたわけです。

私は現職のクライアントや前職含めてサービス業等の非正規雇用者、特に派遣労働者に関しては

むしろ人件費が高いという認識があるのでそこについて労働局に問い合わせてみました。

 

質問が取っ散らからないように

「派遣労働者と他の雇用形態の間で待遇の格差が問題となった場合には

派遣先は『派遣元に問い合わせてくれ』で逃げられるのかい?」

この一点についてのみ聞いてみました。すると担当者が

「需給調整事業第二課に問い合わせてください」

という切れ味鋭いお役所仕事のテンプレートで切り替えしてきました。で、そこに問い合わせると

「そう言わざるを得ないですよね、ただしこの一年間は様子見になると思います。」

とのこと。かなり搔い摘んだけどこちらの担当者は丁寧に説明してくれました。

冒頭の労使協定を選択した場合・・のような話もやはり出てきました。

 

私個人の経験で言うと、直接雇用のパート・アルバイトの採用がうまくいかなかった時の

リーサルウェポンとして派遣労働者を派遣元の言い値でしぶしぶ雇用する、というイメージです。

でもって派遣先は派遣労働者が派遣元からいくらもらってるかなんて把握してないわけです。

 

やぶへびですが、今回の法改正の趣旨からするとそれはアカン、となるはず。

先ほどのお役所担当者に対して

「今後は派遣労働者の賃金を派遣元、派遣先で共有した上でマージン率を設定するような

契約が望ましいとされていくんですかね」

みたいなこといったら「せやねん」って言ってました。

なら労使協定なんて認めなければいいのに。

事業所と派遣会社が契約書を巻いている場合や

多数事業所を抱える運営会社と派遣会社が包括的に契約書を巻いている場合があります。

そこらへんを交通整理しながら後ろ指刺されないようにするのは途方もない無生産な作業ですね、、 

 

現状でもサービス業は最低賃金の急上昇で悲鳴を上げています。

とはいえ人はどんどん減ってくので採用かけなければいけません。

その際は最低賃金ではうんともすんとも言わないので多少上乗せします。

すると新人スタッフが既存スタッフより時給が高いというミラクルが発生します。

場合によっては既存スタッフの分まで上げる必要がでてきます。

 

そこに追い打ちをかけるように「非正規雇用労働者へもボーナス、手当を支給しろ」

との天の声ですからもうどうにもならないですよね。

 

厚労省の言う不合理な待遇差なるものがどこまで寛容さを見せるのか、注目です。

実は私はこの指針に対しては概ね反対、というか納得できてないんです。笑

官僚や親会社からの天下り、出向にも世間の目が向いていくことはあるのか。

このあやふやで複雑なルールを中小企業の経営者がきちんと咀嚼できるのか。

加えて私の専門としているサービス業においては無期雇用である正社員になる覚悟に対して

対価を支払わなければ離職率の低下、定着率の向上が見込めないと考えています。

 

普段からMFを務めているA君とB君だけど実はA君はFWもDFもできる。

この場合のA君がB君より給与面での待遇が良くなる、そういった視点なら大賛成ですが。

 

今回の法改正の裏には生産性の向上という目的をはらんでいるのでしょう。

いずれにせよサービス業は放っておいたらどんどん人がいなくなります。

ローコストオペレーションは業界の必須課題となります。

RPAやAIに活路を見出すにしても、その土台となるルールやマニュアル整備にできる限り

早めに着手することが企業の生き残りを分けると考えています。

 

でわでわ

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