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ホテルレストランの要員削減
こんにちはたいらです。
このブログでも過去に取り上げていますが
サービス業全体の人手不足、右肩上がりの離職率が叫ばれて久しゅうございます。
実はこれから述べるホテルレストランの要員不足解消法については
ずーっと提唱し続けているんですがなかなか事業者に届きません。
「お客様視点」のきれいごとを掲げてスタッフへの無理強いを続けると
必ずお客様に跳ね返りがやってきます。
そうなる前にドラスティックに構造を変えていかないと自分で自分の首を絞めることになります。
主たる方法論は以下の3点。
方法① コンセプトを分けたレストランを施設内に極力併設しない、減らす
方法② お客様に合わせるのではなくオペレーション目線で料理を提供する
方法③ コースを複数本用意しない。一本勝負。
なぜこれらが届かないかも私自身認識しております。大きく分けて以下の4点。
要因① 懐石、フレンチ、中華、イタリアン等、それぞれの伝統文化を守りたい
要因② ハード面の問題。すでに厨房もレストランも作っちゃってる
要因③ お客様やクライアントからの反発が怖い
要因④ 客単価の低下が懸念される
まず方法論側を軸に考察して参ります。
方法① コンセプトを分けたレストランを施設内に極力併設しない、減らす
中規模以上のホテルでは「和食」「洋食」「ブッフェ」のような
複数業態でレストランを運営しているケースが多くみられます。
連泊の方に対してバラエティを提供するだとか
お子様連れのお客様はブッフェに流さなきゃだとかって意見も出てきそうですが
じゃあそこに対応してお金になっているのかという議論がおざなりになってませんか?
連泊の方には多少でも追加料金を頂いて別のコースをご用意すれば良いのでは。
百歩譲って「コース」「ブッフェ」の2業態で十分です。
加えてコンセプトを分けた複数業態を出しておきながらそれぞれに
地の物を・・とか、オリジナリティのある料理を・・・とかめでたいこと言ってませんか?
お客様から「料理が毎年同じなのよね・・・」とか言われてませんか?
「地の物を使用したなんでもアリの創作コース料理」で解決すると思うんですけど。
和食の調理人、洋食の調理人をそれぞれ別で雇用しなければならないし
調理ほどでないにしろサービスも分けて教育しなければなりません。
会場を分ける分、必要要員数も多くなりますし。
和食、洋食、和洋折衷を同じ価格で出したら
7割以上和洋折衷に流れるんじゃないですか?感覚値ですけど。
方法② お客様に合わせるのではなくオペレーション目線で料理を提供する
バンケットではないコース料理の場合、基本的にはお客様の食事ペースに合わせて
ホールスタッフが厨房に調理のタイミングを指示し、提供を依頼しています。
これも一緒。お金になってないのにそこまで無理してやる必要ありません。
そんな悠長なこと言ってられる時代じゃないんですよ。
30分毎にお客様の予約を分けて、開店1時間後には
先付5人前とお造り8人前と焼物3人前と食事5人前と水菓子4人前が同時にかけられる地獄絵図。
うちは 17:45 と 19:45 の2回転制で食べ終わっていようがなかろうが
次の料理は自動的に出てくる、というのが当たり前になればかなり要員削減できます。
小学生のサッカーみたいな流動的一点突破型要員配置が正になるので。
加えて一組のお客様が3時間お席を占拠するという事態もかなり減らせます。
方法③ コースを複数本用意しない。一本勝負。
単価の取りこぼしが無いように、またお客様の嗜好に合わせて
松竹梅の3本くらいコースを用意しているお店が結構あります。
ムリムリ。厨房さん倒れちゃいますよ。ロスも出るし。
今月はコレ!! を1本用意して+αかメインのプリフィックスで単価を盛れば良い。
さて、次は反論となる要因についてぶっ潰して参りましょう♡
要因① 懐石、フレンチ、中華、イタリアン等、それぞれの伝統文化を守りたい
これはもうお話にならないですね。てめぇの店でやれって話です。
お客様ががっかりする・・と他人が言うならがっかりするという統計データと
がっかりが収益面の損失につながる根拠を数値で示してもらいましょう。
ちなみにフレンチとイタリアンのパスタ以外の差異はあるようでないです笑
要因② ハード面の問題。すでに厨房もレストランも作っちゃってる
はいきたコレ。これは解決できません笑
レストラン会場だけの問題ならまだしも厨房が別れているのは工事いれても厳しい。
ただしレストラン会場のパイが足りている場合は1業態やめることはできます。
もしホテルレストランを新設する場合は要員計画の話をたっぷり盛り込みましょう。
要因③ お客様やクライアントからの反発が怖い
うんうん、怖いですよね、でも先にも触れたとおり人が足りないんだから
そこを丁寧に、具体的に、ロジカルに説明して納得していただくしかありません。
クライアントから撤退できない契約になってる場合は無理にでも数字つくるしか。
ホテル、レストランの敷居、格式の話をされたならば
敷居、格式が数字作れることを証明してもらいましょう。私にゃ言えませんけど笑
間接的にでも伝えましょう。
要因④ 客単価の低下が懸念される
いや懸念されるじゃなくて客単価は落とす覚悟で改善の絵を描くんです。
業態やコースの本数減らして人工減かつ原価減の見通しを立てるのと同時に
単価減を補う喫食数増を見込める可能性もあると思いますけどね。
無理して引っ張ってきた調理人に無理してコース作らせて
無理な単価取ろうとして失敗した事例が山ほどあるはずです。
エビデンス取るのは難しいですが。
というわけで、私の持論を端的にまとめると
お客様に合わせたオペレーションと根拠のないバリエーションニーズを言い訳に
現状にすがりつくのは卒業しましょう。
「うちのホテルレストランの料理は今月このコース1本です!!」
変えることに対する内部のアレルギー反応は必ず起こるものですが。
某大手リゾートホテルチェーンは既にそれに近いですしね。
ゴリゴリの懐石、クラシックフレンチのニーズも疑ってみた方が良いですよ。
この先一番強いのは繁閑に合わせてブッフェとコースの使い分けのできるハードとソフトを
持っているホテルレストランです。これ結構自身ある。
今回は少しニッチなお話になってしまいましたが勘弁してください。
でわでわ