HOME > たいらブログ > 時事ネタ・真面目な記事 > いきなり!ステーキ社長のKO劇を見て
いきなり!ステーキ社長のKO劇を見て
こんにちわたいらです。
先日放送されたテレビ東京のカンブリア宮殿で
いきなり!ステーキの一瀬社長(ペッパーフードサービス)が
言わずと知れたすかいらーく創業者横川氏にボコボコに論破されて話題になりました。
まずは【いきなり!ステーキ】の波乱万丈をおさらいしてみましょう。
- 2013年12月に1号店をオープン、廉価(¥5/g)での量り売りスタイルが好評を博す
- 2014年7月に「肉マイレージカード」を導入、大きな話題となる
- 2016年8月に100店舗、2018年8月に300店舗達成という異常なペースで出店
- 2018年4月からは既存店の売上は対前年を切っていたのに2019年6月の時点では472店舗
- 2019年12月に赤字計上、社長からの「タス.ケ..テ…」の張り紙が各店舗に掲示される
- 2020年2月に同年中74店舗の閉店を発表、株価はピーク時8200円⇒756円に
- 現在はジリジリ単価を上げているにも関わらず(¥7/g)既存店対前年売上30%程度で推移
ペッパーフードサービスとしても自己資本比率2%という中身は債務超過の状況。
新株予約権を69億円発行するも48億円を借入金返済、14億円を広告費と運転資金に充てる、と。
こりゃいよいよだな、と。
さらに噛み砕いてみます。
- 安い立ち食いステーキ屋がバズって行列できる店になたよー
- 調子こいて店いっぱい出した結果、勝手に過当競争して売上減少したよー
- 社長「お客さん、あんた方の言うこと言うこと聞いたんだから責任もって食いに来いよ」
- お客さん「は?知らんがな。なんか高くなってきてるし」
- マジで首回んないから不採算店舗はジャンジャン閉店してくよー←今ここ
ここからは私の個人的な分析、感想になるんですけれども
1.の成功体験が麻薬的にキマッちゃったんだな、という感じ。
でその成功要因の本質を把握していなかったんではないでしょうか。
ファストフードとかを除いて飲食店というのは基本的に夜しか儲からないです。
だけど「1000円ちょっとでステーキ食える!!」ってことで
平日の昼間でも行列ができるような店ができた、と。
ここがすごく大事なポイントで、
14時から17時くらいまではアイドルタイムといって飲食店だれも利用しません。
だけど1時間並んででも、とか平日のこの時間ならあんまり並ばないで食べられる、
といった理由でオープンからラストまで客足が途絶えなかったわけです。最初は。
だからこそ原価率50%を超えるビジネスモデルが成立してたんですね。
ただし、店を増やすということは、食べる機会が広がるってこと。
つまり、いつでもどこでも食べられる店そんな度々行かねーよ、ってことです。
どっかのドーナツ屋もそれであっという間に見かけなくなりましたよね。
慌ててお客様の声に耳を傾けて座れるように設備投資したり、
それを補填するために単価をジワジワ上げてみたり、後手後手になってしまった。
もう一点、大事なポイントが
自分の価値観を押し付けても、お客様の意見をヘタに取り入れても商売うまくいかないってこと。
あくまでも最大多数の最大幸福という目線で顧客目線を持ちながら
収益の最大化に取り組むことが企業活動としての正義です。
自分の物差しで美味しいもの、コスパの良いものを出していたってお客様は付いてこないです。
だって美味しいのかコスパ良いのかを決めるのがお客様主体なんですから。
一部の声の大きなお客様の意見に耳を傾ける、というのも非常に危険な行為。
お客様にとってその店、会社の収益はどーでもいい話ですから。
皮肉にもわずか7年間で非常に良い教訓となる栄枯盛衰を見せてくれました。
横川大先生も「消費者の価値に合わせて自分たちの行動を変える」ことの
重要性を説いてらっしゃいました。
でわでわ