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離職率の低減のために
こんにちわたいらです。
人を採用しても採用してもあっという間に辞めていく・・・
こんなお悩みを抱えている企業はたくさんあると思います。
私は過去に10年ちょっとの期間、
離職率が最も高いとされる「宿泊業、飲食サービス業」の運営会社に勤めていました。
ちなみに現場5年、本部5年くらいの感じです。
主に「宿泊業、サービス業」での離職率について考えてみたいと思います。
厚労省のデータでは上記の業種において
入社から3年以内に50%以上が退職する、というデータがあります。
正直なところ、へー、そんなもんか、という感想。
私のいた会社は業界では全然ホワイトな方でした。
実データは晒せないですが、平均したらもっと高そうなイメージだったので。
1年で新卒8割辞めるとか、半年で半分になっちゃうとかって企業もザラです。
推論ですが、そこのバラつきは何故生じるのかといいますと、
給与や残業代の支給、休暇取得率、といった企業毎の特性もありますが
調理職、レストランホール、フロントスタッフ、清掃等、
どの業務において自社でスタッフを抱えるかで大きく変わります。
例えば調理業務や清掃業務だけ他社に委託したりってケースもあるので。
比較的フロントスタッフは辞めにくいですが
他の職種はびっくりするくらい人辞めていきます。
清掃業はほぼパートさんなので割愛します。
スタッフに負荷をかけている本質的な要因として挙げられるのが、
飲食、宿泊業はピークタイムやシーズンが明確過ぎる、という点です。
ホテルレストランに関して言いますと、基本的にはランチ需要が薄いので
朝食8:00~10:00、夕食18:00~20:00 にお客様が集中します。
だから要員配置もそこを目掛けて分厚くしなくてはなりません。
すると、7:00~11:00 + 17:30~21:30 といったシフトにせざるを得ないんです。
繁忙シーズンでその勤務形態が5日、10日とか連続するようであれば
心身の健康を維持できるスタッフが多くないことは想像にたやすいかと。
イライラするか疲弊するか、いずれにしてもスタッフ間の摩擦も生じやすい環境が出来上がります。
ですが閑散期になるとお客様の数もグッと減り、必要なスタッフ数も少なくなります。
企業としては、閑散期とは言え生産性を求めるので
フロント業務覚えなさいとか、他の事業所に応援行って来いって話になります。
スタッフ側としては駒として使われてる感ハンパないですよね。
- ストレスを溜め込んで、自身のキャリアマップが描けずに辞めていく。
- 他のスタッフに更なる業務負荷がかかる。辞める。
- 慌てて採用かけて補充したスタッフが1週間で辞めていく。
- 他の事業所に応援要請するもどこも手一杯。
- 採用と教育にかかったコストが事業収支を圧迫して詰み。
ホテルレストランを例に出しましたが、「宿泊業、飲食サービス業」においては
概ね似たような負のスパイラルが生じています。
で、更なる追い打ちとなるのが中間管理層の量と質です。
5年、10年現場で生き残った猛者達は良くも悪くも根性座っています。
「頭使ってる暇あったら手動かせ」的な思想の人が少なくありません。
そんな人達が頭しか使ってない人の言うことを聞くわけもなく、
かと言って内側でイノベーティブなオペレーション改善を行えるわけでもなく。
答えが出ないまま場当たり的な消火活動に日々を消耗し続けています。
じゃあどうすればそこから脱却できるかというと、
まず一つ目は、
・ピークタイムに合わせた要員配置をやめる
傘って台風の最大瞬間風速にあわせて作られてないですよね?
ハード面のキャパシティに合わせたお客様の入れ込みはやめましょう。
その日の要員配置をベースに回せる範囲で入れ込みをコントロールする、と。
売上の機会ロスよりも人件費の安定の方がトータルメリットが大きい場合が多々あります。
二つ目。
・強固なガバナンス構築を目指す
パートさんも一般職も、管理職も、本部も役員も、役割が違うだけでおんなじ立ち位置だお♡
とかスタッフに向けて意味不明なメッセージを送る運営会社の多いこと。
管理職は一般職をマネジメントしなければならないし、
本部は現場をグリップしなければ組織として機能しません。
瞬間的な耳障りは良いかもしれないですがキャリアマップにおいても
どうしても矛盾が生じてしまうんです。
ボトムからの意見を封じ込めるのはやり過ぎですが、
「黙ってやれ」を言えない運営会社に人の管理ができるわけない。
三つ目。
・経営方針を盛り込んだ骨太なマニュアルの作成
やっと自分のフィールドで話ができる(笑)
このお話をするまでに自然と伏線を張っていたのですが、
- 管理職や本部の分掌、役割
- CSや、ES、収益へのコミットに関するバランス感
- ステップアップの具体的な道筋
- 先輩によって指導内容がバラバラ事件
こういったものを全てのスタッフが閲覧できるマニュアルに落とし込むことで
一般職を守り、離職率の低減を図ることができます。
そして重要なのが、採用時等の説明会や研修においてもこのマニュアルを使用すること。
形骸化の防止にもつながる上、採用後の「こんなはずじゃなかった」も減らせます。
もちろん会社の規模が大きくなればなるほど必要な情報量は多くなるので
並大抵の作業ではないです。
かなりザクっとしたイメージですが、A4Excelベースで
例えば単一の飲食店舗だと20枚、
100人規模で単一事業の企業だと50枚、
1000人規模で複数事業の企業だと運営方針等20枚 + 手順マニュアル(事業毎)30枚 × 事業所数
くらいのボリューム感になります。あくまでも目安ですが。
国に憲法と法律があって、自治体に条例があるように
会社の経営方針、それらに紐づいた運営方針やノウハウ、現場の詳細手順を可視化する。
あなたの会社に悩んだり夢を語ったりウトウトしたりするのが仕事の人はいませんか?
是非上にあるようなマニュアルを作って見てもらってください。
ちゃんとできれば必ず会社の大きな財産になります。
できなさそうだったらご相談ください。