HOME > たいらブログ > マニュアル・資料関連 > 論破せずに相手を動かす方法
論破せずに相手を動かす方法
こんにちわたいらです。
お仕事をしていると社内外問わず定期的に
「論理的に対話するのを拒む人、苦手な人」
こういった人にエンカウントすることがあります。
数字を作るため、新しいことに取り組むためには
こういった人達にも理解してもらい、協力を仰がなければなりません。
最初に断っておきたいのが、これは「地頭や偏差値的にバカな人」ではないです。
ただ職人気質という意味でのバカであることは多いですが。
料理人、エンジニア、ときにはお医者さんや士業を営む人まで。
こういった人達は愚直に自身の価値観や顧客満足度を優先し、
むしろそこが評価されて現在の地位を築かれている方もたくさんいらっしゃいます。
ただし、企業活動としての方針転換や何かしらの改善プロジェクトを行う場合には
ほとんどと言っていいほどそういった人達のハレーションや反発を招きます。
もちろんトップメッセージとして「黙ってやれ」が必要なケースもありますが
細かい業務改善等についていちいちトップを引きずり出すのは現実的ではなく、
改善チームとしての無能さを露呈してしまうことにもなりかねません。
これは実際に私が仕事として経験したことなのですが、
レストランのブッフェに出すレタスがあるじゃないですか。
会社の衛生上の方針として、「提供前に薬でちゃんと洗いなさい」を義務付けよう、と。
私も元々はどちらかというと反対だったんですが、
安全を最優先させるため徹底してもらおうというジャッジが下りました。
少なくとも当時私は料理長達から十分な信頼を得ていない自覚があったため、
これは骨が折れるぞ、ということでまずは反対意見を想定しました。
- 工数が増える
- 薬代がかかる
- レタスに薬の匂いが残る
これくらいかな、と。
実際をその話を落とし込む際に重要な考え方が、
反対意見を論破せず、予測の上で傾聴する構えを取っておくことです。
自分から予測される反対意見を先出しにして
「工数増えるしお金かかるし匂いつくのはわかってるんですが・・」
と前もって話をすると、ガス抜きができなくなってストレスを与えてしまいます。
「いーや、あんたなんもわかっちゃいないね!フン!!」って。
また、先述の反対意見に対する論破という方法を選ぶと
より大きな反発を生み出し、収集が付かなくなってしまいます。
一番悪い例。
- 「2~3分の工程で人件費上ブレするほどの厳密なコントロールしてるんですか?」
- 「薬代が1日当たりでいくらになるかの計算はお済みなんですか?」
- 「ドレッシングかける方がほとんどなんで心配されるほど気になりませんよ。」
「こいつの言うこと聞く気がしねぇ」ってなりますよね。
これをやりだすと毎回論破が必要になって毎回嫌われてくんです。
そこでできる限りその反対意見をより具体的に、むしろ大きく捉えているよう同調します。
- 「一度の水洗いだったのが薬品洗浄とすすぎを含めて3工程になってしまいますよね」
- 「薬もタダじゃないので結局は原価、人件費を圧迫しかねないですよね」
- 「少なくともドレッシングかけないお客様には匂いを感じられる方が多いと思います」
⇒「だけど、お客様の安全を最優先するために断腸の思いで絞り出した結論なんです」
この論調であれば、比較的「あー、気にしてはくれてるんだな」と感じさせて
以降だんだん「こいつが言ってんなら仕方ねぇ、聞いてやるか」になっていきます。
はい、というわけでご納得いただけましたでしょうか。
「論理的に対話するのを拒む人、苦手な人」に対して最も有効な訴求方法は
「論理的に反対意見への同調を用意し、感情的に訴えかけること」です。
冒頭に述べた通りどんなに優秀な人でも成功者でも
必ずしも論理的な思考に長けている人であるとは限りません。
そういった人とお仕事をする機会があるならば
身に付けておいて損はないスキルかと思いますので是非試してみてください。
でわでわ