接遇時の言葉遣いについて
こんにちわたいらです。
今日も元気にタイトル詐欺です!!
言葉遣いにも後に触れようとは思うのですが
大事なことはあくまでももっと手前にあるというのが
私めの主たるメッセージでございます。
私はホテル、レストランでの運営とその改善、経営のための実態把握等に
長年携わってきた上で、現在マニュアル作成を中核事業としています。
するってぇとクライアントから「正しい言葉遣いを学ばせたい」
といったご要望を賜る機会が多いんですね。
まず私の主張を聞いてください。
言葉遣いや立ち振る舞いをブラッシュアップさせるのは目的ではなくCS向上の手段です。
大切なことはマナーよりも言葉選びよりもお客様が求めている情報、
こちらが伝えなくてはならない情報をより端的に、丁寧に伝えようというマインドです。
いくら接遇マナーや言葉遣いを学んだところでそのマインドをスタッフに叩きこまなければ
不快な思いをするお客様は減らないし気持ち良くお帰りになるお客様は増えません。
何よりお客様に目線を合わせた接遇について自分で考えるスタッフが育ちません。
コンビニとかで商品の補充をしながら背中で
「ありやしたーまたおこしくださいませー」
というマニュアル通りに挨拶するスタッフよりも、一瞬手を止めてこちらを見てにっこり会釈して
「ありがとうございます」
というスタッフの方が317956169倍気持ちが良いはずです。
だからマニュアルに言葉遣いに関する要項をまとめるのは全然良いのですが
先述のようなマインド醸成を置き去りにするとロクなことがないのでご注意ください。
という長めの前置きを踏まえてですね、
本題の言葉遣いについて10個くらいかな、例を挙げてみようかな。
使うとアホっぽく、安っぽくなりがちな言葉たち。
時代は移り変わるものでして「日本語として正しい or 間違っている」は二の次。
あくまでお客様にとって耳障りの良い、スッと入ってくる言葉かどうかが焦点です。
■「こちらの方がナポリタンという形になります」
はい来たー!待ってましたー!!いきなりの全部乗せ!
3大接客ダメ用語!「方」「形」「なります」!!
「方」は基本的には取っ払うだけ。使わないことを習慣にした方が良い。
「形」も取っ払うだけでいいのですが、他の言葉に置き換える必要がある場合も。次の項で。
「なります」は「~でございます」で代用が利きます。
サービス初体験だとこの「~ございます」が気持ち悪くて言えないんですよね。
ちなみに「なります」は「become」にあたる言葉なので
テーブルにソフト麺とソーセージと玉ねぎピーマンをおもむろ置いて
上からケチャップをぶちまけるサービススタイルの場合はこの表現が正しいです。
ちょっと待ってくださいね、これからナポリタンになりますからねーっつって。
■「少々お待ちいただく形になります」
「形」の悪い例として挙げたんですが正確に言うと間違いがもう1点。
待つのはお客様なので「いただく」という謙譲語は絶妙にふさわしくない。
かと言って「少々お待ちください」だけにするとちょっと淡泊過ぎる場合も。
そこで満を持して登場のクッション言葉ですよ。
「恐れ入りますが少々お待ちくださいませ」これでよし。
「~ませ」は時にきしょいけど言いなれておいた方が便利。
■「よろしかったでしょうか」
これも有名。焼きそば界のペヤングくらい有名。
過去形になった経緯は憶測ですけど「よろしいでしょうか」「よろしいですか」が淡泊かなって
思考停止したスタッフがタイムリープしたものだと思われます。
ハイエンドなサービス、ご高齢者向けには「よろしゅうございますか」が使えると良いです。
■「とんでもございません」
これも有名。ファストファッション界のユニクロくらい有名。
「とんでも」なるものがあるとかないとかって話をしてるわけじゃないので
「とんでもないです」「とんでもないことでございます」後者はややくどいですけど。
■「大丈夫です」
これはちょっとシチュエーションをイメージしてもらわないと伝わらないですね。
「この商品券使えますか?」の回答だとしましょうか。
別にスタッフの心身の健康を案じているわけではないので
「ご利用いただけます」「はい、結構でございます」が正解。
■「3000円ちょうどからお預かりいたします」
「から」も絶妙に不要なんですが、それより「お預かりいたします」のところ。
おつりが無い場合は「頂戴します」がベター。お預かりしても返すもんないんだもん。
「頂戴いたします」にすると二重敬語だとかいってくる老害が沸くので
「3000円ちょうど、頂戴します」に間髪いれずお客様の方を見て
「どうもありがとうございます」といえば不快に感じる人はいないでしょう。
ちなみに目を凝視するよりも眉間の下あたりを見る方がマイルドな印象を与えやすいのでお勧め。
■「お間違いないでしょうか」
これねー、いたずらに使うなとは言えないんですが、
お客様視点だと間違っているとしたらスタッフ側のケースが多いんですよ。
例えば予約内容の確認をする場合。
スタッフ「ナカムラ=バルデラマ=タイラ様、2月22日 19:00~ 2名様、
以上の内容でお間違いないでしょうか」
たいら 「いやナカムラ タイラです」(バルデラマどっから出てきたん・・)
もちろんお客様の勘違いや言い間違えの可能性もありますが
よほどのアレでなければ「失礼いたしました」の流れになるわけじゃないですか。
「ご予約内容を確認いたします」からの「以上の内容でよろしいですか」
の方が地雷を踏む確率は下がると思います。
■「ありがとうございました」
これは話題に挙がることは多いんですが実践している人は少ないです。
ちなみに私は自戒の念を込めて普段からこの言葉は使いません。
すべてのケースで「ありがとうございます」というようにしています。
「ありがとうございました」というお礼の言葉が過去形になるのはいかがなものか、
という論点になることが多いのですが私は完了になるのが気になる系男子。
感謝の気持ちはそこで完了しない、またご利用頂きたい、またお会いしたい、
だから自ら進んで区切りをつけることはしない。
きしょいと思われても仕方ないのでこの考えをアウトプットするのは人生初です。
■「あの・・・すいません・・ちょっと・・・・」
テーブルに物持ってきて置く場所がないときに言葉がでないスタッフ~!!
これめっちゃいません?「はよ場所空けろや」みたいな顔して
挙句に皿で皿押し出しちゃったりなんかして。
こういうのこそマニュアルにネジ込まなくてはならないと思うのです。
「置けないに決まってる量のメニューを頼む客がアホじゃね?」
とか言っちゃうスタッフは即刻時給300円にしてあげてください。
お客様は皿の大きさ知らんし量も知らねーから。
置けない量の注文取ったスタッフと店のテーブル小さいのが問題なわけ。
「じゃ結局俺なんも悪くなくねwww?」
とか言っちゃうスタッフは即刻時給30円の交通費自己負担にしてあげてください。
すんごい量の注文されたときの対応は業態や運営方針によって変わってくるけど
「ご不便をおかけしますがテーブルに乗り切らないので少しずつお持ちいたしますね」とか
「恐れ入りますがお手元を少し空けていただいてよろしいでしょうか」とか
そのくらいはちょっと頭使えばでてくるはずですから。
むしろそのくらいの対応ができるスタッフを作るのが運営者、教育者の使命です。
はい、というわけでこのくらいで堪忍してください。10個いってない気がするけど。
でわでわ