エレベーターメンテナンスに落とし穴
神奈川県相模原市 2006年6月 文責: (有)A tempo
メーカーS社のエレベータで人身事故が起きてしまいました。残念です。
メーカーへの不信感が膨らみ始めるとともに、安全に対するメンテナンスの重要性が認識され始めています。
独立系によるメンテナンスが一般的になっている今、安全に関するメーカー情報の開示は緊急の課題と考えます。
各メーカーは、メンテナンスが美味しかった時代の幻想を捨てて、安全に関する技術の標準化と開示を図るべきです。
エレベータのメンテナンス契約には
1.フルメンテナンス契約 2.POG契約の2種類があります。
1.は所謂お任せコースで、定期検査で不具合が発見された時、新たな費用無しで改修されます。2.の1.5倍程度の費用になりますが手間が掛からないため、多くのビルオーナーが採用しています。
2.は、不具合等が発見される都度、費用が発生します。定期点検とParts(消耗部品)、Oil、グリース までが契約範囲です。
落とし穴は、1.フルメンテナンス契約 に有ります。
余程の不具合で無い限り、改修コストを掛けない可能性があるからです。
2.は、不具合を発見すればするほど、仕事になる可能性が高いので、熱心に検査するかも知れません。
あなたならどちらで契約しますか?
この事故を見て考えることがあります。 エレベータの安全設計において、籠が落下することに対する危険予知・防止策は十分に組み込まれている事が想像されますが、果たして籠が想定外に上昇する事に対して十分な安全設計がなされているか?という事を心配します。 すでに各メーカーは見直ししている事を祈ります。
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